インフレ（インフレーション） とは、「モノの値段が上がり続ける」 状態のことを指します。モノの値段が上がる、つまり物価上昇が続くということは、言い換えると「お金の価値が下がる」 ことを意味します。たとえば、以前は100円で購入できたパンが、今は物価上昇で200円になったと仮定します。同じパンなのに、今は以前の2倍のお金が必要。つまり、お金の価値が1/2になったと言えるのです。

　インフレ＝お金の価値が下がる、と言われると、インフレは悪だ！と思ってしまうかもしれません。ただ、 一概にそうとも言えません。 インフレでモノの値段が上がると、もうかる会社が出てきます。 会社の収益が上がれば社員の賃金も増えやすく、その人たちはインフレのメリットを享受したことになります。また、日本でインフレになると価値が下がるお金＝円なので、円安になることがあります。 円安は輸出産業にとって有利であり、また外国からの観光客が増える可能性もあります。輸出で利益を出せる企業や、インバウンドの増加が見込める観光業などには好影響となります。
 
　一方で、物価高の恩恵を受けられない人、賃金が上がらない人にとっては、インフレは悪影響となってしまいます。また、物価上昇が急すぎて賃金上昇が追いつかない場合は、インフレ時でも景気は停滞したままです。この状態をスタグフレーションと言います。

　現在は、 世界各国で物価が高騰してインフレが起きている状態です。日本でも、長く続いたデフレ状態から脱却しようと、 政府と日銀がインフレに舵をとる政策を出してきています。大規模な金融緩和政策が続けられ、金利が低く抑えられているため、インフレが継続している状態です。ただ、今後については、日本での物価上昇や過度な円安もゆるやかに落ち着くのではないか、と予想されています。（ちなみにアメリカは、金融引き締めで金利が上昇し、インフレを減速させようとしています）
 
　個人でできるインフレ対策としては、資産を分散することが一つ挙げられます。既出のように預貯金など（現金）はインフレの際は価値が下がってしまうため、一つに絞らないよう、株式や債権など複数の資産に振り分けておく。 自分たちの状況に合った方法を考えておくことが、リスク分散にもつながります。

　インフレにデフレ、円安に円高･･････経済の話は様々な要素がからみあっていて、理解するのは大変です。ただ、自分たちの大切な資産を守ることにつながるなら、わからないことや疑問を少しずつでも解決していきたいものです。
 
　今年も様々な話題をお届けしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。