人も家も健やかにする断熱リフォームのススメ
2024年は記録的に暑い夏でした。家の中にいても夏の暑さに苦しむ方が多かったのではないでしょうか。同様に、冬の寒さに困っている方も少なくないでしょう。今回は、毎日を快適に過ごすための家の断熱リフォームについてお話しします。

断熱リフォームで解決できること
このリフォームを行うことで、エアコンの効率を向上させることが可能です。適切な断熱を施すことで、室内の快適な温度を長時間保持でき、冷暖房の使用を減らすことができるため、光熱費の節約にもつながります。また、窓のサッシなど結露やカビが発生しやすい箇所に断熱リフォームを施すことで、その発生を抑えることも可能です。さらに、冬の脱衣所やお風呂、トイレなどでのヒートショック予防や、夏場の熱中症対策として、住む人の健康リスクを軽減することができます。

断熱リフォームの施工方法
断熱リフォームに関する施工方法についての説明を整理すると、以下のようになります。
❶天井の断熱リフォーム
施工方法:天井の骨組みの間に断熱材を敷く。もしくは、綿状の断熱材を吹き込む。 注意点:天井裏が作業可能な強度があれば、天井材を剥がさずに施工可能。 |
❷屋根の断熱リフォーム
施工方法:断熱塗料を使用する方法が一般的。 注意点:足場の有無や建物の構造、階数によって費用が変動するため、事前に確認が必要。 |
❸壁の断熱リフォーム
施工方法:壁の内側に断熱材を敷き詰めたり、骨組みの間に断熱材を貼り付ける。外壁に断熱塗料を塗布することも可能。 注意点:既存の壁を剥がす必要がある場合や、壁の補修が必要なケースがあるため、費用や工期を確認することが重要。 |
❹床の断熱リフォーム
施工方法:床材の下に断熱材を入れる。床下から設置することも可能。 注意点:床材を剥がすかどうかによって費用や工期が変わる。床暖房の導入も併せて考えると効果的。 |
❺窓の断熱リフォーム
施工方法:インナーサッシの設置や複層ガラスの採用で、断熱性と気密性を高める。 注意点:断熱性能が高いガラスは高額になる傾向があるので、リフォーム業者と相談し最適な素材を選ぶことが大切。 |
まとめ |
進化する断熱リフォーム
近年、住宅の断熱性能への関心は特に高まっています。2024年、住まいの調査機関であるSUUMOリサーチセンターは、「断熱新時代」というキーワードを提唱しました。このキーワードの背景には、以下の3つの理由があります。
❶冷暖房効率の向上
断熱性が高い住宅は冷暖房効率が良くなり、電気代の節約につながります。 |
❷需要の増加
住まい探しの際に「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」や「省エネ」に関する問い合わせが増加している。 |
❸リフォーム・DIYの傾向
「断熱」や「省エネ」を重視する人が増えている。 |
さらに、室内温度が安定することで健康面でのメリットが大きいことや、住宅ローン減税などの優遇措置が整備されていることも、この流れを後押ししています。断熱に関連する工法や材料も進化を遂げており、住居全体をリフォームしなくても、必要な部屋だけを改修する「部分断熱」が可能になってきました。実際にこれらの工事を手がける地域のリフォーム業者の施工技術も向上しています。
建物の省エネ基準や断熱性能は、時代とともに強化されています。最初に制定されたのは1980年の省エネルギー基準で、その後、何度か改正を経て、2016年には建築物省エネ法が制定されました。一方、築年数が古い住宅は、2016年の断熱基準を満たしていないケースが少なくありません。省エネ性向上の大きな要素となる断熱リフォームは、今後ますます注目されることが予想されます。
厳しい暑さ寒さに断熱リフォームは不可欠
今や日本は、暑すぎる夏がどんどん長くなり、残暑の次がもう真冬…といった季節感になっています。そうした変化は、人々の健康へのリスク(熱中症やヒートショックなど)だけでなく、家へのダメージも着実に蓄積させています。断熱リフォームは、それらの対策として大きな効果を生むもの。室内の温度を安定させられれば、どの季節も心地よく暮らせます。壁内部の結露を抑えられたら、家の耐久性が高まります。断熱に関心が出てきたら、お気軽にご相談ください。
