年末年始に家を留守にする際、まず見直したいのが、物理的な防犯対策です。空き巣の多くは「侵入に5分以上かかるとあきらめる」と言われており、時間を稼ぐ工夫が有効です。基本中の基本は戸締まりの確認ですが、実際には鍵の閉め忘れや、窓の施錠漏れなどの“うっかりミス”が侵入被害につながるケースが少なくありません。以下のポイントを事前にチェックしておきましょう。

　また、ベランダや勝手口など、目が届きにくい場所にも警戒が必要です。掃き出し窓や面格子のゆるみもチェックし、不安な箇所は出発前に補修をしておきましょう。防犯は「入られない」環境づくりが鍵になります。ほんの少しの工夫が、大きな安心につながります。

　防犯対策というと、つい設備面ばかりに目が行きがちですが、留守中の家の安全を守るには、信頼できる第三者の目も有効です。特に年末年始のような長期不在時には、ご近所に限らず、親しい友人や親類に一声かけておくだけでも、安心感が大きく変わります。「異変があったら知らせてほしい」と軽くお願いするだけでも、防犯の抑止力になります。無理のない範囲で、以下のような協力をお願いしてみましょう。

　人によっては「そこまで頼みにくい」と感じるかもしれませんが、身近な人が一時的に気にかけてくれるだけでも、防犯対策の強化になります。普段から連絡を取り合っている相手であれば、比較的無理なく頼むこともできるのではないでしょうか。
また、地域によっては自治体の防犯パトロールや見守りサービスを提供しているところもあります。自分たちの生活スタイルに合った“見守りの選択肢”を持つことで、より安心して家を空けられる環境が整います。

　近年は、防犯や留守宅管理に役立つスマートホーム機器が手頃な価格で手に入るようになってきました。自宅に設置した監視カメラの映像をスマホで確認したり、遠隔操作で照明やエアコンをON/OFFしたりと、外出先から自宅の様子を把握できるのは大きな安心材料です。センサー付きの人感ライトや、開閉検知のドアセンサーなども比較的簡単に導入でき、設定もスマートフォンひとつで完結するものが増えています。
また、「スマートロック」も注目のアイテムです。物理的な鍵を使わず、アプリや暗証番号で玄関を解錠・施錠できるため、鍵の紛失リスクも軽減できます。外出先からロック状態を確認することも可能です。
このような機器の導入をきっかけに、住まいの設備全体を見直してみるのもおすすめです。

　こういった小規模リフォームは、防犯性だけでなく住まいの快適さや資産価値の向上にもつながります。年末年始の帰省や旅行の前後は、ちょうどよい点検と見直しのタイミングであるとも言えます。将来を見据えて、今の住まいに合った防犯設備の強化やアップデートを検討してみてはいかがでしょうか。

　留守中の自宅が気になっていては、せっかくの年末年始も心から楽しめません。だからこそ、事前の対策が何より大切です。物理的な防犯はもちろん、人の目やスマート機器の活用も有効です。さらに、民間の留守宅管理サービスを利用するという選択肢もあります。安心の備えで、心から安らげるお正月を迎えましょう。